教授が考える大学院生活成功方法 パート１
- Masahiro Yamada
- 2020年1月1日
- 読了時間: 4分
更新日：3月11日
アメリカの大学院を選ぶ際に大事な事はいくつもありますが、まず始めの段階で絞り込みをする２つの方法を考えます。
１：専門と大学院の有無。
まず専攻・学部（major）を絞りましょう（＝narrow down) 。あなたの勉強したい学部があるか調べましょう。しかし、ビジネス、のような良くある専攻だと絞れません。そこで、大学院のシステムを考えます。
アメリカには4~5千程の大学がある。
大学には (a)２年生の大学、(b) 学士（bachelor）過程のみある学校、(c) 学士と修士（Master）のみの学校、そして(d) 学士、修士、博士課程（doctor）の全てある学校とある。
2020年の段階で(b) - (d) はおよそ2600校。その内、博士課程のある大学は430程。
大学院留学を考えているあなたは選択肢が全体の半分や５分の１程度からスタートします。ちなみに、大学院を総称してgraduate programと言い、博士課程と特定して話たい時はdoctoral programと言います。
２：地域 (経済、文化、チャンス）
次に、地理で絞れるならより簡単です。地域に関しては一般の留学と被るところがあるのでここで詳しく話しています。
簡略化して西海岸（West Coast)、東海岸（East Coast)、それ以外、と括ってしまっていいでしょう。
大学院に話を限定すると、例えば、私の専門、キネシオロジーは博士課程はカリフォルニア州にはありません。こうやって地域と専門をリストアップできると絞れます。
では少しだけ、地域性。日本人留学生の殆どはカリフォルニア州に集中しますが、その他にもニューヨークなど、都市部に集中する傾向があります。
地域に関しては別の項目で詳しく話します。
地域の選択によって関わってくることは(a)経済、(b)文化、(c)機会。
まず経済。カリフォルニアやニューヨーク、ボストンは生活費が高いです（家賃＝rent、生活費＝living cost）。例えばあなたが優秀で大学院を学費免除(tuition waiver)、さらに運が良ければ働かしてもらい給料(stipend)も貰えるかもしれません。しかし、場所には生活費が高すぎて賄いきることはできません。ですのであなたの経済状況で大分変ってきます。
次に文化。都会に行くと留学生や多様な人種の人たちがいますが、都会から離れると違う国のようになります。田舎に行くと日本食を手に入れるのも大変ですし、日本に帰国するのも一苦労。さらに、差別的な経験もするでしょう。あなたにとって何が大事かは特に博士課程では大事になります。最低４年いますから。
最後に機会（チャンス）。何をもって機会というのかは様々。例えば、映画産業はカリフォルニアのロスアンゼルスに集中していますが、経済の中心地は東海岸でしょう。アメリカの歴史は特に東海岸に色濃く残されています。私は西、東、それ以外、全てを経験しましたが、東海岸はペースが速く、競争がとてもバチバチという感じを受けます。実際、有名大学の多くは東に集中しています。例を出すと、IVY リーグ大学は全て東。それ以外でも、UNC Chapel Hill, NYU, U Conn, Auburn, Boston University, MIT, University of Pittsburgh, Johns Hopkins, Duke, Georgetown, Carnegie Mellon, Emory, University of Virginia, University of Florida, Florida State, Northeastern, Georgia Tech, Virginia Tech, University of Georgia, Tufts, University of Rochesterなどとトップ50の半分以上は東の州。例をたくさん出した理由は、これら全て博士課程があります。
都会の方に行けばインターンシップや他の大学や企業とのタイアップやコラボレーションなども多くあります。田舎に行けばそういった機会はグンと減ります。
しかし、ここで考え時。例えば工学や脳科学、さらに私のようの学問は研究にスペースが要ります。広大な土地を使って安価で設備を整えるのに田舎はとても良いのです。ですので、ド田舎にとても有名な大学がぽつんっとあるというのは、アメリカあるあるです。ですから田舎＝ノーチャンスという単純な式が成り立つわけでもありません。
あなたが大学院に行ったその先に、何になりたいのか。なりたい自分になるための経験を積める場所とチャンスがその大学、地域にあるか。学位はあくまでチケット。本当に大切なのはそこで学ぶ知性、知識、経験です。それを念頭に置いて大学院選びをすると自分に合った大学院に巡り合えると思います。
英単語：major, bachelor, master, doctor, graduate program, narrow down, tuition waiver, stipend, rent, living cost, East/West coast
では、＃２で。
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