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教授が考える大学院生活成功法 パート9 奨学金までの道のり (1/3)

更新日:2月23日


海外留学を考える時、まず始めにつまづく場所が金銭面でしょう。例えばあなたが現在いてる場所が日本であろうとアメリカであろうと、大学院を考えている時点で、学士過程に4年間の生活費と学費を払っている、もしくは借金をしている状態からですので、もうこれ以上は。。。でも行きたい!という人は少なくないはず。


しかし、学士過程と比べて学費を抑えれる可能性が格段に高いのが大学院です。今回はシリーズで大学院の学費、どのような方法があり、どのような奨学金の免除パターンがあるかを紹介して、次回のパートでどんどん深く話していきましょう。今回、修士と博士課程に分けて考えていきます。


1.学士号と大学院の授業料の違い。大学院の授業料は留学生は学士過程とほぼ同額です。時に少し高い場合もあれば、時に少し安い場合もありますが、差はそこまでありません。


奨学金が取れるかどうかは様々な要素によって変わってきます。それを理解するのにまず、仕組みを知りましょう(私立は特別なので省略します)。


2.授業料の仕組み。公立(国立・州立)大学の場合、学費にはまずベースの授業料があります。これはアメリカ人、もしくはグリーンカードなどを保持していて、そこの大学の地域に住んでいる(州内に住民票がある)人が払うものです。

  • これをin-state tuition (in-stateは州内、tuitionは授業料)と言って、安い授業料になります。

  • そこに州外から通う生徒はout-of-state tuitionという物が上乗せされます。留学生はもちろん州外生徒扱いなのでin-state と out-of-state を払います。例を出すと、UCLAのin-state tutionは年間200万円程ですが。州外の生徒だと(in-state + out-of-state tuition) 670万円程になります。

  • さらに留学生をサポートする為の費用(ビザサポート、管理に必要な経費)や留学生特別の費用が上乗せされた総額が授業料になりますので900万程になります。


奨学金免除の場合、(1) in-state tuitionの免除、(2) out-of-state tuition の免除という部分免除(partial tuition waiver)、そして、(3) 全額免除 (full tuition waiver) の3パターンがあります。ですので、そこに注目しましょう。


3.お金の出どころ。授業料免除を勝ち取る場合、博士課程で免除されるケースはかなり高いです。しかし、修士課程で全額免除を取るのはかなり難しいです。

  • 博士課程:ほぼ100%サイエンス系の学部は博士課程の生徒はフルタイムである限り授業料全額免除はもらえます。留学生はフルタイムでないと法律的にだめなのでパートタイムの話は省きます。私の知る限り、フルタイムの生徒で授業料を全額払って博士課程を修了した人はいません。しかし、事が変わってしまうのが大学がR1ランクではない場合です。R1, R2などの大学のシステムの話は違うところで話しています。ではなぜR1の大学はほぼ確実に授業料免除がもらえるか、です。それは博士課程プログラムの予算に生徒の授業料免除用のお金が担保されています。ですのでR1大学の場合、乗り越える壁博士のプログラムに受かる事です。受かるとほぼ授業料免除が付いてきます。

  • 違うパターン:授業料免除を与えれる人数に制限があるのも事実ですので免除を貰えない事もあります。学校から授業料免除が出ない場合、研究費から出るパターンがあります(他にもありますが、留学生はこの2つさえ知れば十分)。R1大学の教授は億単位の研究費を貰う強者が揃う場所です。ですので、もし、学校から出なくても教授の研究費から授業料が出るパターンがあります。実際、私の所属していたラボでは私は学校から出た授業料免除で私の2年下の博士課程の生徒は私の指導教官の研究費から出た授業料免除でした。


4.修士と博士。では次に、なぜ修士では難しいか、です。それはお金は上から降りて行くからです。例えば、今話した全ての授業料免除は、春学期と秋学期の8~9ヵ月の話です。冬休みの1か月と夏休みの3か月は生活費も授業料も担保されません。教授も夏休みはそうです。基本的に9か月契約で、夏休みは仕事としては契約外になります。ですので、夏休みに授業を教えたりするのは別の契約なのです。例えば夏学期にクラスが3つあるとします。誰かが教えないといけません。教授が2つ教えたい、といえばその時点で権利は教授に行き、博士課程の生徒は残りの1クラスを教えるチャンスが来ます。そこで、博士課程の生徒が教える、といえば、修士課程の生徒に仕事のチャンスはありません。つまり、博士課程の生徒には夏の生活費が出ない期間も生活費を稼ぐチャンスがあります。

このように、チャンスとお金は上から降りていき、残ったものが下に行きます。授業料免除も一緒で、まず博士課程の生徒の授業料免除のお金が確保されます。そしてもし残れば修士課程の授業料免除にもお金がいきます。ですので修士課程にはなかなか巡ってきません。


今日は大学院においての授業料免除の話をしました。次はもう一つの免除、生活費免除について話したいと思います。しかし、今回話していなかったのはサイエンス系の以外の博士課程です。この場合授業料免除は保証されないケースが多いです。ですので、極端に難しくなることが多くあります。








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